フラット35の気になるデメリットは?メリットとともに紹介

フラット35は気になるけど、デメリットはないかしら……。
そのような不安を抱えている方も、少なくないでしょう。
フラット35のデメリットはいったい何か? 同時に、メリットは何なのか?
フラット35の基本的なポイントについて解説しています。


これから利用しようかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

フラット35のデメリットとは

フラット35の5つのデメリットについてお伝えします。

 

デメリット①適用金利が高い

フラット35のデメリットの一つめは、金利の高さです。
一般的に、金利は「変動金利」→「固定期間選択型」→「全期間型固定金利」の順番で高くなっていきます。

例えば、2022年1月時点でのフラット35の金利は以下のようになっています。

 

◆フラット35の金利◆

返済期間

15~20

21~35

金利の範囲

1.180~年2.090

1.300~年2.210

最も多い金利

1.180

1.300

対して、住信SBIネット銀行の2022年1月1日時点の変動タイプの金利は、年0.44%

フラット35で一番安い1.180%と比べても、0.74%も異なります。

例えば、4,000万円の融資を35年かけて返すとします。

フラット35の場合、金利は年1.300%。
変動金利の場合、年0.44%で試算してみましょう。

 

◆フラット35と変動金利の比較(元利均等の場合)◆

 

適用金利

毎月の返済額

総返済額

フラット35

1.300%

11万9,000

4,981万円

変動金利

0.44%

10万2,777

4,317万1,899

 

※各数字は、シミュレーターを利用して試算しています。
(参考:借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】、シミュレーション | 住宅ローン | NEOBANK 住信SBIネット銀行

 

上記から、金利の違いによって、毎月の返済額に1万円以上の差が出ることが分かります。

総返済額に関しては、600万円以上の差が生じるのです。

変動金利の場合、0.44%の金利がずっと続くとは限りません。
しかし、固定金利を選んだ場合、このような差が付くことは知っておいたほうがいいでしょう。

 

デメリット②金利が高くなる場合がある

フラット35の場合、頭金を用意できるかどうかで金利が変わってきます。

フラット35(借入期間21~35年)の場合、頭金の額による金利の違いは以下のようになっています。

 

◆フラット35金利 頭金の額による違い◆

融資率

金利の範囲

最も多い金利

9割超え

1.5602.470

1.560

9割以下

1.3002.210

1.300

 

確かに、頭金なしで借りると、住宅ローン控除の恩恵を最大に受けられるなどのメリットもありますが、利息負担や総返済額が大きくなるのでおすすめはできません。

住宅価格の1割以上の頭金は用意しておきましょう。

 

フラット35の金利は?

フラット35とは、全期間固定金利型の住宅ローン。

借入したときの金利を完済するまで継続できる、住宅ローンのことを指します。

フラット35を取り扱っている金融機関は多々あり、それぞれで借入金利も変わってきますので詳細を把握しておくことは必要不可欠でしょう。

 

こちらの記事では、現在の金利や金融機関ごとに異なる金利に関してご紹介しています。

フラット35をご検討されている方は、ぜひご参照ください。

⇒【フラット35とは】金利や条件などの押さえておきたい特徴

 

デメリット③審査落ちしてしまう場合がある

フラット35の利用条件に見合ってないと、審査落ちしてしまう可能性もあります。

フラット35の借り入れ条件は、以下となっています。

 

○借り入れ可能条件〇

    • ・申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済を行う場合は、適用外)
    • ・日本国籍を有している方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
    • ・すべての借入に対する年間返済額の合計が、収入に占める以下の割合を下回っていること

 

◆年収ごとの返済額の割合の違い◆

年収

400万円未満

年収400万円以上

返済額の割合

30%以下

35%以下

    • ・申込者本人またはその親族が住むための住宅の購入または建設資金に使用すること(セカンドハウス可)。
      ※投資用物件や賃貸物件に対して、ローンは下りません。
    • ・住宅金融支援機構が定めた技術水準に適合した住宅を購入すること
    • ・住宅の床面積が以下の基準を満たしていること

 

◆床面積に関する要件◆

建物区分

床面積

一戸建てまたは、連続建て及び重ね建て

70㎡以上

共同建て(マンション)

30㎡以上

……など

上記のなかでも、フラット35の特徴といえるのが「・住宅金融支援機構が定めた技術水準に適合した住宅を購入すること」という要件です。
フラット35を利用する場合、住宅金融支援機構が求める技術水準を満たした家でないと、ローンが下りません。

取得しようとしている物件が、適応していることを証明するため、適合証明書を提出する必要があります。
適合証明書の発行には時間とお金がかかるため、あらかじめチェックしておきましょう。

 

デメリット④繰り上げ返済の設定金額が高い

民間の住宅ローンに比べて、繰り上げ返済の設定金額が高いのもフラット35の特徴です。

フラット35の繰り上げ返済の設定金額は、以下のようになっています。

 

◆繰り上げ返済の最低設定金額◆

インターネット手続き

窓口手続き

10万円

100万円

 

1回の最低返済金額は、金融機関やローンの種類によって異なりますが、1円から対応しているところもあります。
窓口手続きであっても、最低金額は50万円からというのが多いです。

繰り上げ返済を考えている人は、対応できるかどうか考えてから借りましょう。

 

デメリット⑤借り換えで、フラット35sは利用できない

フラット35sは、金利をさらに引き下げてくれるうれしいプラン。
活用したいと考えている人も少なくないでしょう。

しかし、フラット35sに関しては借り換えでの利用はできません。

住宅ローンの借り換えを検討している人は、フラット35の利用を考えましょう。

 

フラット35のメリットとは

フラット35の4つのメリットをお伝えします。

 

メリット①借入時の手数料と保証料が安い

フラット35では、住宅ローンに付き物の保証料・保証人が不要。
物によっては、事務手数料もかからないといったメリットがあります。

 

フラット35の事務手数料

フラット35においては、返済方法の変更における事務手数料や、繰り上げ返済時の手数料はかかりません。
しかし、融資手数料や物件検査手数料は必要です。

融資手数料は金融機関ごとに、物件検査手数料は検査機関または適合証明技術者によって異なります。

各機関のホームページ等を確認のうえ、お支払いください。

フラット35の保証料

フラット35の保証料は無料です。
保証料の支払いをしたくない人にとっては、うれしいメリットといえます。

 

メリット②固定金利のため返済計画を組みやすい

フラット35のメリットといえば、固定金利ならではの安心さ。
最初に決められた金利で最後まで返済ができるので、返済計画が立てやすいです。

フラット35と変動金利で金利が上がった場合のケースを見比べてみましょう。

≪借り入れ条件≫
借入額:4,000万円
借入期間:35年
融資率:9割以下
返済方法:元利均等返済、ボーナス払いなし

 

○フラット35の場合○

 

1~10

11~20

21~30

31~35

総返済額

金利

1.3 %

1.3 %

1.3 %

1.3 %

毎月の返済額

11.9 万円

11.9 万円

11.9 万円

11.9 万円

4,981 万円

 

○変動金利の場合○

 

1~10

11~20

21~30

31~35

総返済額

金利

0.5 %

2.5 %

2.5 %

5.0 %

毎月の返済額

10.4 万円

13.2 万円

13.2 万円

14 万円

5,237 万円

 

上記はあくまでも一例ですが、変動金利の場合、最初は金利や返済額が少なかったとしても、金利上昇により、総返済額が固定金利を上回ってしまうケースもあります。

また毎月の出費が急に増えることで、生活設計が成り立たなくなる可能性も出てきます。

その辺りも考慮したうえで、ベストな住宅ローンを選択しましょう。

 

メリット③審査基準に勤続年数がない

フラット35には、住宅ローンの審査時には欠かせない「勤続年数」の項目がありません。
1年以上の勤続年数がないと、審査に影響が出てくるローンがほとんどです。

しかしフラット35では、勤続年数が審査項目に入っていません。

転職して間もないけど、住宅ローンを借りたい人は検討することをおすすめします。

 

メリット④団体信用生命保険への加入義務がない

フラット35の場合、団体信用生命保険(団信)への加入義務がありません。
そのため、団体信用生命保険に入りたくない(または加入できない)人にとっておすすめのプランです。

しかし団体信用生命保険に加入せず、万が一契約者が支払いできない状態になってしまうと、残りの債務を家族が負担する必要があります。

団体信用生命保険に加入しておけば、残債は帳消しです。
そのため、加入しない場合は、民間の生命保険を活用するなど、万が一に備えておきましょう。

2017年10月から、団体信用生命保険に関して、フラット35では新しい制度を運用。
新機構団信では、身体障害保障がつくようになりました。

これまでとの違いとして、身体障害保障は、身体障害者福祉法が定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳を交付されたときに適用されます。

それまでの高度障害保障に比べて、保障範囲が広がったのです。

また新3大疾病付き機構団信では、介護保障と身体障害保障が加わりました。

金利は高くなるものの、充実した保障を求める人には、新3大疾病付き機構団信の利用もおすすめです。

 

フラット35はどんな人に向いている?

フラット35が向いている人と向いていない人の特徴をお伝えします。

 

フラット35に向いている人の特徴

フラット35が向いている人の特徴をお伝えします。

 

特徴①団信に加入できない人(またはしたくない人)

健康上の問題があり団信に加入できなかったり、または民間の生命保険を活用したかったりする人には、フラット35がおすすめです。

民間の生命保険のほうがプランは豊富ですし、一生涯の保障付きプランを選択することもできます(団信の場合、ローン完済時までや80歳までなど保障期間が限られています)。

また制限に引っかかってしまい、団信に加入できない人もいるでしょう。

とくに健康状態があまり良好でない人や、大病をした経験がある人などは、審査に落ちてしまうケースも少なくありません。

その場合、フラット35を選ぶことをおすすめします。

 

特徴②転職直後の人

転職して間もないけど、住宅ローンを利用したい人にはフラット35がおすすめです。

というのも、上述の通り、フラット35には「勤続年数」という審査項目がありません。

そのため、他の金融機関の住宅ローンの審査が通らないかもしれない人でも、フラット35なら借りられる可能性が高まります。

 

特徴③変動金利が不安な人

「将来、金利が上昇したらどうしよう」といった不安を抱える人は、フラット35がおすすめです。

フラット35は全期間型の固定金利のため、金利上昇のリスクがありません。

危ない橋は渡りたくないという人に向いているでしょう。

 

特徴④他社の住宅ローンの審査に通るか不安な人

フラット35は、勤続年数や年収などの項目が審査基準に入っていないため、ほかの住宅ローンに比べて審査が甘いといわれています。

例えば、自営業の方は、住宅ローンの審査に通りづらいです。
とくに所得が少なかったり、安定していなかったりする人は、なかなか貸してもらえません。

しかしフラット35の場合、給料が安かったり、不安定だったりしても、審査に通る可能性があります。

また収入の合算ができるため、夫が自営業で妻がパート・アルバイト勤めだった場合も、2人の年収の合計金額で申告することができます。

 

フラット35には向いていない人の特徴

フラット35に向いていない人の特徴をお伝えします。

 

特徴①変動金利を選択したい人

経済状況によって変動する「変動金利」を選びたい人は、フラット35はやめたほうがいいでしょう。
変動金利は常に金利が変動するため、息つく暇もないですが、少しでも注視して得になればと考えている人も多いです。

とくに近年は、長期金利の低水準が続いています。
今後も低金利が続くようであれば、変動金利を選ぶのも一つの手でしょう。

 

特徴②住宅金融支援機構が求めるのとは違う家が欲しい人

住宅金融支援機構が定める技術水準に見合わない家を建てたい人は、フラット35を利用しないことをおすすめします。
とくにオーダーメイドの家など、こだわりの家を建てたい家は、フラット35が使えない可能性が高まります。

 

フラット35の特徴を知りたい場合は

フラット35のメリットやデメリットだけではなく、金利や利用する条件を詳しく知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

下の記事では、フラット35を利用するうえで押さえておきたい特徴をまとめています。

気になる方は参考になさってください。

⇒フラット35を利用するうえで押さえておきたい特徴

フラット35Sも存在する

フラット35について調べていると、フラット35Sという言葉も耳に入ってくるのではないでしょうか。

フラット35Sとは、省エネ性や耐震性の高い家のみに適用される金利引き下げプランです。

もしご自宅はそういった条件に当てはまる方は、詳しい情報をこちらでご紹介していますので、ぜひご参照ください。

⇒フラット35Sとは?対象の住宅となる基準を解説

メリット・デメリットを理解したうえで、フラット35を利用しましょう

フラット35のメリット・デメリット、向いている人・向いていない人の特徴は分かりましたか?
フラット35は、固定金利で完済まで安心なプランですが、誰にとってもベストな選択とは限りません。
人によっては、フラット35以外の選択肢のほうが魅力的という人もいるでしょう。


フラット35が自分に合っているか分からない」という人は、ベストホーム横浜南までご相談ください。
あなたにぴったりのプランをご提案いたします。

 

>>フラット35適合証明書、耐震基準適合証明書、インスペクションの発行に関するお問い合わせはこちら<<

関連記事